こんにちは、ナオキです。センターはいかがでしたか?良かった人も悪かった人も、ここからの頑張りが重要なことには変わりありません。どちらの人も気を引き締めていきましょう。

今回扱うのは、和積・積和公式の導出です。なんだ今更三角関数か・・・と思うかもしれませんが、この記事は数2で意味のわからないままに和積・積和公式をやった方や、数3積分の苦手な方に読んでほしいと思います。

なお、もっと手軽な変換テクニックが、影州の書いた和積公式利用のテクニックという記事の方にも書いてあります。ぜひご覧ください。

まず積和から行きましょう。
最初に三角関数の加法定理を持ってきます。

sin(α+β)=sinαcosβ+cosαsinβ
sin(α-β)=sinαcosβ-cosαsinβ
cos(α+β)=cosαcosβ-sinαsinβ
cos(α-β)=cosαcosβ+sinαsinβ

面倒なので次のように略記することにします。

s(+)=sc+cs
s(-)=sc-cs
c(+)=cc-ss
c(-)=cc+ss

で、こっからです。いま何の積がほしいかを考えてください。やりかたは割と簡単で、加法定理の右辺を見て欲しい積が残るように足したり引いたりしてやればいいだけです。

たとえばsinとcosの積がほしいと思ったら、これは異種の積なのでsinの加法定理に注目して、scを残してcsを消すように足し算したらいいんですね。こうなります。

  s(+)=sc+cs
+)s(-)=sc-cs
→s(+)+s(-)=2sc
∴sc=( s(+) + s(-) )/2

csの積なら引き算してやればOKです。
ccの積、ssの積ならcosの式を思い出して計算したらいいですね。

次に和積公式です。
これも加法定理から導きます。

まずはほしい和を考えます。ここで、和積公式で求められる和はsin±sin cos±cosに限られることに注意してください。(異種の和は、角が同じ場合のみ三角関数の合成で式を簡単にできます。)
仮にいま、sin-sinの形を積に変換したいとします。そうしたら、まずはsinの三角関数を呼び出します。そして引き算します。

  s(+)=sc+cs
-)s(-)=sc-cs
→s(+)‐s(-)=2cs

このままじゃただの積和です。ですが、次の操作を行うことで和積に書き換えられるのです。
その操作を行う前に、この式をキチンを書き直すことにしましょう。

sin(α+β)-sin(α-β)=2cosαsinβ

ここで消しゴムを取り出して、次のように書き変えてしまいましょう。

α→(A+B)/2
β→(A-B)/2

なぜこうするかというと、左辺のα±βが鬱陶しいからです。こうすれば、必然的にα+β=A α‐β=Bとなり、次の式が成立します。

sinA-sinB=2cos(A+B)/2 sin(A-B)/2

ここでAとBに好きな数字を入れればその積が求められます。
cosの和積がほしい時は、cosの加法定理を呼び出して足したり引いたりしてから、同じように置きなおせばOKです。

では、このような和積・積和の変換が役に立つかを考えてみましょう。

まず積和の公式ですが、これは積分法の要請で使うことが多いです。
というのも、積分法には一般的に成立する「積の積分法」というのが存在しません。「置換積分」「部分積分」という限られた条件のもとでしかきれいに解けないのです。積分は乗除に弱いんですね。
ですが積分には「線形性」というのがあります。要するに足し算引き算は無視して計算していいですよ、という性質です。
なので、f=sincosという形の関数をそのまま積分するのは苦労するけれど、これがf=sin±cosの形になってくれれば難なく計算できるわけです。そのための変換が積和公式なんですね。

対して和積公式は方程式の要請から使われることが多いです。
x+y+z=0という形をした方程式はどうしようもないけど、xyz=0の形だったら即座に「x=0またはy=0またはz=0」が云えます。なので方程式を解く時には和積を使って積の形に直してからやると楽ですね。

たぶん何の前触れもなく、加法定理や倍角、三倍角とかと一緒に和積積和を習う人が多いと思います。そのくせその場では全く使わないので重要度がわかりにくい公式です。それもそのはず、積和を使い始めるのは数3からですから。
目的が分かると、理解が進みますね。きちんと導出できるようになって、数3積分に備えましょう。

関連する数学記事和積公式利用のテクニックにも書いてあります。ぜひご覧ください。

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